プランターの土は再利用可能?培養土の交換、再利用、破棄、そのタイミングについて
- compactagri
- 2022年2月16日
- 読了時間: 6分

プランターやコンテナ栽培で使う「培養土」。スタート時には購入してきたものを利用する方がほとんどですね。さて、無事に収穫が終わって次の栽培に移る際、使った培養土をどうするか迷った事ありませんか?そのまま使うのか、破棄して新しいものに交換するのか、はたまた再利用するのか…再利用する場合に何かやることはあるの?などなど。古い土は栄養分が減っていたり、野菜が病気になる細菌が繁殖している事も…。今回は培養土の再利用方法や交換のタイミング、破棄方法などについてご紹介していきます。
プランター栽培で古くなった培養土。使い続けたらダメ?

プランター栽培で使った培養土。そのまま使い続けてはいけない理由がいくつかあります。
①野菜の病気を引き起こす病原菌が増殖している可能性があります
土には野菜の成長を助ける微生物や細菌、逆に野菜を病気にしてしまう病原菌など、たくさんの微生物や細菌類が住んでいます。市販の新しい培養土は病原菌が排除され、野菜を元気に生長させるための栄養分が十分に含まれていますが、そんな培養土でも何かしらの植物を栽培すれば、土の中の細菌バランスは崩れ、栄養分は植物に吸収され減ってしまいます。また、雨などによりPh値が変わったり、病原菌が増殖している場合もあります。その為、古い土を使い続けると芽が出ても元気に成長しなかったり、病気にかかったり、すぐに枯れてしまう事があります。
②野菜栽培に向かない土に変化してしまいます
プランター栽培で使う培養土は、土の粒の大きさが適当で土壌にしっかり空気が含まれ、水はけも良く、植物を育てるのに適した土壌構造になっています。しかし、古い土に手を入れず使い続けていると、土の粒がどんどん小さくなっていき、土の粒どうしの間隔が狭くなることで土壌の空気が少なくなり、水はけも悪くなります。そしてフカフカではなく、野菜栽培に不向きなカチカチの固い土に変わっていってしまうのです。
③連作障害が出る野菜の栽培には特に注意が必要です
作物の種類によっては、同じ土で連作すると病気になったり元気に生長しない野菜があります。連作障害が出る作物を栽培する場合、プランターの土を交換したり、有効微生物で出来た連作障害を軽減させる土壌改良材などを利用した土壌再生などが必要です。
◉連作障害が出やすい野菜
ナス科(トマト、ナス、ピーマン、ししとう、じゃがいも等)
ウリ科(きゅうり、ゴーヤ、スイカ等)
マメ科(インゲン、エンドウ、ソラマメ等)
アブラナ科(キャベツ、白菜、ブロッコリー、カリフラワー、大根等)
古い培養土の再生方法は?

古い土を再利用する際の手順などについてご紹介していきます!
◉用意するもの
・再利用する土
・腐葉土、堆肥、土壌改良材など
※土壌改良材はホームセンターの園芸コーナーに行くと色々な種類が販売されています。
連作障害が気になる場合など、目的に合わせて準備しましょう。
・肥料、苦土石灰など(今後栽培する野菜の種類に合わせて用意)
・ビニールシート(新聞紙や大きめサイズのゴミ袋でも代用可)
・大きめのゴミ袋(黒、透明どちらでも)
・ふるい(細目、中目、荒目の3種類あるとベスト。1種類でも可)
・じょうろ
・水
①土の中の大まかな不要物を取り除く
ビニールシートや新聞紙を広げてプランターの土を出し、手で植物の茎や枯れ葉、根などを取り除いていきます。同時に固まっている土は手で崩していきます。
②より細かい不要物をふるいにかけて取り除く
目の細かさが違う数種類のふるいを持っているようであれば、土を「荒目→中目→細目」の順にふるいにかけていきます。荒目では手で取りづらい根っこやゴミなどを取り除くことができ、最後に細目でふるいにかけると細かすぎる土がなくなり、粒の揃ったちょうど良い土が残ります。1種類のふるいでも可能ですが、最低限「荒目」と「細目」があると便利ですね。
③土の消毒をする
消毒というと薬剤をイメージされるかと思いますが、太陽光を利用した熱消毒をします。もちろん薬剤で土壌を消毒することも出来ますが、熱消毒は安心安全ですし費用はビニール袋代くらい!とても簡単で、畑の土を消毒する際にも使う方法です。ふるいにかけた土をビニール袋に入れ、じょうろなどで水をかけて十分に湿らせます。ビニール袋の口をしめ、太陽光がたっぷり当たる場所に置いて蒸します。1週間ほど放置するとしっかり消毒出来て、殺菌された清潔な土になります。もし土に害虫の卵や雑草の種子などが残っていた場合も、しっかり蒸すことで駆除が出来るのです!ビニールは黒でも透明でも大丈夫です。
④土壌改良材を入れ、栽培に向いた土にする
熱消毒したことで細菌や雑草の種子などが死滅した清潔な土になりましたが、このままでは土に栄養分が不足している為、野菜栽培に適した土とは言えません。消毒した土に用意した腐葉土や堆肥、土壌改良材を混ぜ込み、栄養分がたっぷり入った栽培に適した土へ変えていきます。新しい培養土を加えても良いと思います。混ぜる量は古い土に対して、土壌改良材4割ほどが良いでしょう。
⑤肥料や苦土石灰で調整する
種まきや苗の植え付けの1〜2週間前に肥料や苦土石灰を混ぜます。野菜の種類によって肥料の種類、苦土石灰を混ぜる混ぜないは決めてください。
古い土を捨てるには??
土を再利用せず捨てる場合、どうやって捨てたら良いのでしょうか?一般的なサイズのプランター(65㎝)で使っていた土の重さは約10㎏となります。この量の土をどうやって処分したら良いのか悩見ますよね。悩んだあげく放置している方も多いようです。いくつかの方法をご紹介します。
◉ゴミに出す
自治体にもよりますが、土を燃えないゴミとして回収してくれる自治体もあります。その場合はゴミ袋に入れて一般ゴミと同様に出せばOKです。ゴミとして回収してくれない自治体も多く、回収OKの自治体でも量などの条件を定めているところもある為、必ず事前に調べてから出すうようにしましょう。
◉自治体のリサイクル回収を利用する
これも自治体によりますが、土のリサイクル回収をしているところがあります。自治体のHPやゴミ回収担当部署へ確認してみましょう。
◉ホームセンターや園芸店の回収を利用する
ホームセンターや園芸店によっては、古い土の回収をしてくれるお店もあります。新しい土を買った場合のみ回収します!というようなお店もあるようです。お店に直接確認してみると良いでしょう。
◉廃棄物処理業者や専門事業者に回収しておらう
お金はかかってしまいますが、廃棄物回収業者や土の回収やリサイクルを専門に行う業者などに頼んでみるのも手です。この場合は家まで回収しに来てくれたり、宅配で回収してくれたりするのでとても便利です。土の量によって料金が変わり、回収出張費がかかるところもあります。インターネットで検索すると色々な情報が出てくるので比較してみてください。
プランター栽培で使った古い土の再生方法から廃棄の方法まで、ご紹介させて頂きました。手軽に楽しめるプランター栽培ですが、収穫してから次の栽培に移るまでの土の処理をどうしたら良いのかご存じない方も結構多いようです。処理方法などを事前に知っておくと、楽しい野菜栽培を長く続けられます!皆さんの参考になれば嬉しいです。
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