top of page

家庭菜園でよく見かける病気と対策について

  • 執筆者の写真: compactagri
    compactagri
  • 2021年10月19日
  • 読了時間: 5分

どんなに気をつけていても、家庭菜園では病気が発生してしまうことがほとんど…。土中の菌や微生物、飛んでくる虫などが原因となり発生します。家庭菜園に病気はつきものではあるものの、事前に対策をしておけば被害は最小限に抑えられます!今回は家庭菜園でよく見かける病気と対策についてご紹介していきます。


病気が発生しやすい環境づくりとは?

病気の発生には生育環境が大きく起因します。特にじめじめと湿気の多い環境では、病気が発生しやすくなります。日当たりと風通りを良くするために、プランターの配置や作物に適度な株間を作るなどの栽培管理に気をつけましょう。また、プランターの底にきちんと鉢底石を敷いたり、水はけの良い清潔な培養土を利用する事も大切です。


◉環境面で気をつけること

・日当たりの良い場所にプランターを置く

・すのこや台の上にプランターを置き水はけを良くする

・プランターの底に鉢底石を敷いてから培養土を入れて水はけを良くする

・市販の培養土を使う

・株間を適度にあけて風通しを良くする

・適度に葉を剪定し、葉にまんべんなく光が当たるようにする


野菜栽培で発生しやすい病気と対策について

◉ウィルス病・モザイク病

葉が縮れて黄色く変色するのが特徴。この症状が進行し、株は生育不良を起こしていきます。アブラムシを媒介して発生する事が多く、汚れた手などで野菜に触れる事で感染を広めてしまうことも。症状が出た株は早めに取り除き処分し、病気の株に触れた手やハサミなどの器具は消毒し感染が広まるのを防ぎましょう。また、アブラムシ対策も必須。ほとんどの野菜で発生します。


◉うどんこ病

葉の表面に白い粉がふいたような症状が出てきます。この白い粉はカビで、湿度が低い時期に発生しやすいのが特徴。見つけたら症状が出ている葉を摘み取って処分するか、初期の段階であれば薬剤の散布で改善することもあります。また、株の密集を避けるために適度な間隔を確保して植え付けをしたり、風通しや水はけを良くする事で予防も出来ます。きゅうり、かぼちゃなどのウリ科植物やナス、いちごなどで発生しやす病気です。


◉べと病

カビが原因の病気です。初めは葉に淡く黄色の小さな斑点が現れ、症状が進むと斑点が拡大し淡い黄色から淡い褐色に変わってきます。そして徐々に葉脈と葉脈の間に囲まれた部分が角形で黄褐色に変色し、ステンドグラス状の病斑となってきます。病斑が広がると一枚の葉全部に広がることもあり、晴天が続くと乾いてパリパリになりますが、雨が続き湿度が高くなるとベトベトになります。病変を見つけたらすぐに葉を摘み取り処分しましょう。また、風通しと水はけを良くすることも重要です。キャベツ、レタス、きゅうり、大根などの野菜に発生しやすい病気です。


◉青枯れ病

初めは一部の葉が水分を失い青いまま萎れます。日中は萎れ、夜間や曇天・雨天の日に回復する、という状況が数日続きますが、ついには株全体が萎れて枯れてしまいます。高温時に病気の進行が早い傾向があります。土壌中に生存する病原細菌が水によって植物内に運ばれ、感染し発生する病気です。定植時や栽培管理などの際に、根や株についた傷から侵入する事が多いです。発病した株はすぐに取り除き処分します。露地栽培の場合は太陽熱を利用した土壌消毒を行い、病原菌を死滅させる事で対策出来ます。プランター栽培で病気が出てしまった場合は、汚染培養土を捨てプランタをしっかり洗い太陽熱で消毒し、新しい培養土に入れ替えましょう。この病気はほとんどの野菜で発生します。


◉軟腐病

土の中の細菌が原因で発生する病気です。株元や葉のつけ根に水が染みたような変色症状が現れ、黄褐色に変わり、徐々に腐敗が広がって悪臭を放ち出します。その後はさらに腐敗が進み、最後は株全体が腐ってしまいます。気温が高く雨が多い時期に発生しやすいため、梅雨〜秋雨時期は注意が必要です。特に土壌の水分が高く水はけの悪い土地で発生するため、水はけをよくする事が大切です。腐った株をそのまま残しておくと土壌に細菌が残ってしまう為、病気の株を見つけたらすぐに抜き取り処分します。キャベツ、レタス、白菜、大根などでよく発生する病気です。


◉根こぶ病

カビが原因で発生する病気です。病原菌となるカビは土の中に生存していて、植物の根に感染して発病します。感染すると細胞が異常増殖し、根に大小のコブが発生するのが特徴です。低温多湿の時期に発生するため、梅雨時や秋雨の季節に発生しやすい病気です。予防には土壌の水はけをよくする事が大切です。露地栽培の場合は高畝にしたり、腐葉土などを混ぜるようにします。また、アブラナ科の植物に良く発生しますので、アブラナ科の連作は避けましょう。病気の株を見つけたら株ごと抜き取り処分します。



以上、家庭菜園でよく見かける病気についてご紹介しました。どの病気も土中の病原菌やカビ菌が原因になる事が多く、アブラムシを媒介して発生する病気も多いです。病気を完全に抑えることは難しいですが、まずは土壌の状態を良くすることが大切。水はけが悪く多湿の環境では発生しやすいため、露地栽培では高畝にしたり腐葉土を混ぜて水はけを良くする。プランター栽培ではすのこや台の上に置いたり、水はけの良い市販の培養土を使う。など、水はけを良くする工夫をしていきましょう。また、病変らしいものを見つけたら、ためらわず除去して処分することが広がらないために大切な判断です。

 
 
 

Comments


ニュースレター配信中

ご登録ありがとうございます。

bottom of page