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有機栽培って本当に安心・安全で美味しいの?

  • 執筆者の写真: compactagri
    compactagri
  • 2020年8月11日
  • 読了時間: 3分

更新日:2021年8月23日


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安心安全なイメージの有機野菜。最近は野菜のセールスポイントとして良く耳にする言葉です。「有機」「オーガニック」「無農薬」「自然栽培」など色々な言葉を聞きますが、有機栽培とは一体どういうものなのでしょうか?「何となく安心」というイメージがあるだけで、有機栽培が一体どういうものなのか知った上で野菜を購入している方は少ないようです。今回は有機栽培についてご説明したいと思います。


理科の授業を思い出してみてください。有機•無機って?

中学校の理科の勉強を思い出して見てください。有機化合物、無機化合物という言葉を覚えているでしょうか?有機化合物とは「炭素(C)が原子結合の中心となる物質」の総称です。対して無機化合物とは「炭素(C)を原子結合に含まない物質」の総称となります。簡単に言うと有機物とは「炭素」を含む物で、生物だけが作り出せる炭素の化合物です。「焦げたり腐ったりする物」というとイメージしやすいでしょうか。よって、有機以外は全て無機ということになります。有機化合物の定義は生物が作り出す化学物質です。


有機栽培の定義とは?

化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと、並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業”

これが有機栽培の定義です。ちょっと難しいですね。「化成肥料や化学的に合成された農薬を使わず、遺伝子組み換え技術も使わず、自然環境に優しく安全な栽培方法」という意味です。簡単に言うと、有機栽培は環境に優しく、自然の力を生かした栽培方法ということです。


農業での「有機」とは、主に肥料の「堆肥」を意味します

「堆肥」とは微生物が有機物を分解したモノですが、有機物の原料によってその種類は様々です。家畜の糞(牛糞・鶏糞・豚糞)を原料とする物は動物質堆肥です。一方で樹木の皮を発酵させて作るバーク堆肥やもみ殻と玄米の硬い殻を発酵させたもみ殻堆肥、ブナやコナラなど広葉樹を長期間発酵させた腐葉土などは植物質堆肥です。オーガニックと有機栽培は同意です。元々は有機物を肥料として用いた栽培方法に対して「オーガニック」という言葉が当てられていたのですが、今は純粋な有機肥料を用いた栽培方法という意味のほか、化学肥料や殺虫剤などの農薬を使わない「合成された農薬を使わない栽培方法」も合わせた意味で使われるようになっています。


有機栽培をすれば「有機野菜」と名乗れるの?
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いいえ違います!有機栽培の定義に沿って栽培したとしても、その収穫物に「有機野菜」「オーガニック野菜」と表示して販売することは出来ません。農林水産省の登録する機関に検査され認められた商品だけに「有機JASマーク」をつけることができ、「有機野菜」や「オーガニック野菜」と名乗る事ができます。



認証を受けていないのに「有機野菜」「オーガニック野菜」と名乗る事、紛らわしい表記をする事は法律で禁じられています。ただし、この表示の規制は「商品」に対してのみとなります。認定機関で検査・認証されていなくても、実際に有機農法で栽培をしていて虚偽がなければ「有機栽培」と記載することに関して規制はありません。したがって、有機農法をしていたら商品にマークをつけられなくても「有機栽培」と広告等に出して宣伝することが出来ます。


有機栽培(オーガニック栽培)は農薬を使わず、環境にも体にも優しい安心の栽培方法です。定義に沿って誰でも取り組むことが出来ますが、販売する際の表示には色々な規制や決まりがあります。有機JAS規格の認証を受ける事は簡単なものではなく、誰にでも出来る事ではありません。生産者の方々の努力と強い思いの賜物です。消費者は目の前の言葉やイメージに惑わされることなく、正しい知識で自分に合った野菜を選ぶ事も大切です。

 
 
 

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